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子供が起こした偶然の事故に親の責任や賠償の免除を認める判決!サッカーボール裁判の最高裁判決が初の判断!

      2015/06/13

子供が起こした偶然の事故に親の責任や賠償の免除を認める判決!サッカーボール裁判の最高裁判決が初の判断!

親の目の届かないところで幼い子どもがした行為で、他人がけがなどを負ったとき、親がどこまで賠償責任を負うべきかについて、最高裁判所は「子どもの行為が通常なら危険がないもので、偶然起きてしまった事故の場合には、原則、親の責任は免除される」という初めての判断を示しました。子どものしつけなど、親の対応にも限界があることを考慮した判断で、ほとんどの場合で親に責任を負わせてきた司法判断の流れを変えるものとなりました。

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(youtube動画-FNNnewsCH)子どもが事故を起こした際に親の責任はどこまでか 注目の判決

https://youtu.be/sUfljgevAiU

(NHK)子どもの事故「偶然」で親の責任免除認める判断

親の目の届かないところで幼い子どもがした行為で、他人がけがなどを負ったとき、親がどこまで賠償責任を負うべきかについて、最高裁判所は「子どもの行為が通常なら危険がないもので、偶然起きてしまった事故の場合には、原則、親の責任は免除される」という初めての判断を示しました。
子どものしつけなど、親の対応にも限界があることを考慮した判断で、ほとんどの場合で親に責任を負わせてきた司法判断の流れを変えるものとなりました。
11年前、愛媛県今治市の小学校の校庭で、6年生の男子児童が蹴ったサッカーボールが外の道路に飛び出し、バイクで走ってきた85歳の男性が避けようとして転倒する事故が起きました。
男性はその後亡くなり、遺族が児童の両親に損害賠償を求めた裁判で、1審と2審は幼い子どもの過失は親が代わりに賠償責任を負うとする民法の規定を基に、両親に1000万円を超える賠償を命じていました。
この裁判の判決で、最高裁判所第1小法廷の山浦善樹裁判長は「親は、目の届かないところで子どもが他人に危険が及ぶような行動をしないよう、日頃からしつけをする義務がある。しかし、校庭でサッカーゴールに向かってボールを蹴るといった、通常は危険がない行為によって、偶然事故が起きてしまった場合は、原則、親の賠償責任は免除される」という初めての判断を示し、遺族側の訴えを退けました。
9日の判決は、子どものしつけなど、親の対応にも限界があることを考慮したもので、事故の状況にかかわらず、ほとんどの場合で、子どもの過失の賠償責任は親が負うとしてきた司法判断の流れを変えるものとなりました。
最高裁判所の判決を受けて、サッカーボールを蹴った児童の父親は弁護士を通じてコメントを出しました。この中で父親は「被害者の方にけがを負わせ、結果的に死亡したという事実を厳粛に受け止め、親としての道義的責任を痛切に感じています。息子もずっと罪の意識を持ちながら歩んできました。一方で、1審と2審の裁判で『親のしつけ、教育がなっていない』と断じられたことは大変ショックでした。最高裁の判決が出て、まだ気持ちの整理もできておりませんが、主張が認められたことでひとまず安どしています。ただ、被害者のことを考えると、苦悩が終わることはありません」と述べています。

親が賠償を負う根拠は

民法は、他人に損害を与えた未成年者が、自分のしたことの重大さを十分理解できるまで成長していなければ、本人に賠償責任を負わせられないとしています。一般的に小学生以下の子どもがこの対象となります。しかし、そのままでは被害者が救済されなくなるため、民法は別の規定で、損害を生じさせた人を監督する義務のある人が代わりに賠償責任を負うと定めています。このため、子どもの監督義務者である親が責任を負うことになるのです。
この規定は、状況によっては責任が免除されることも認めていて、『監督義務を果たしていたとき』と『義務を果たしていても避けられなかったとき』を挙げています。ところが、具体的にどのような状況であればこの場合に当てはまるのか、判断基準がなく、これまでの裁判では、ほぼ一律に親に賠償責任を負わせる結果となっていました。

過去の裁判は「親に責任」

学校生活や友だちとの遊び中、幼い子どもたちが親の目の届かない場所で思いがけない事故やトラブルなどを起こし、他人にけがを負わせることがあります。そうした場合、親が損害を受けた相手から裁判で訴えられると、どういう事情があったとしても賠償責任を免れないと考えられてきました。
実際にあった裁判の例です。
▽友だちと自転車で遊びに出かけていたときに、よそ見をして歩行者に衝突。相手の足にけがを負わせ、親は250万円の賠償責任。
▽運動公園で児童2人がキャッチボール中、ボールがそれて、近くにいた別の子どもの胸に当たった。子どもは亡くなり、2人の両親に6000万円を超える賠償命令。
学校の教師など大人が近くにいるケースでも、親の責任が認定されてきました。
▽授業中の教室で子どもたちが騒いでいて、そのうちの1人が友だちに足を掛けて転ばせ、3週間のけが。学校の責任は問われなかった一方で、親には70万円の賠償責任。
▽少年団のキャンプに参加し、引率した大人の指示で竹とんぼを飛ばしたところ、近くにいた別の子どもの目に当たり、視力が低下。親はキャンプに同行していませんでしたが、引率者と連帯して700万円の賠償責任があるとされました。
いずれのケースでも、家庭でふだんのしつけが足りないなどとして、親は損害を賠償しなければならないと判断されています。こうした子どもの過失などで親がどこまで責任を負うべきか、これまで最高裁が具体的な考え方を示したことはありませんでした。

子ども以外の裁判に影響の声も

今回の裁判で焦点となった、「事故の原因を作った人を監督する義務のある人に賠償責任を負わせる」という民法の規定が適用されるのは、親と幼い子どもの関係だけではありません。認知症や精神的な障害で自分のしたことの重大さを理解できない人が起こした事故でも、その人を介護をしている家族が代わりに賠償を求められることがあります。
愛知県で認知症ではいかいしていたとみられる91歳の男性がJRの電車にはねられた事故を巡り、JRが運行の遅れで損害が出たと訴えた裁判では、この規定を基に、男性の介護をしていた高齢の妻が360万円を支払うよう命じられました。
今回の判決は子どもの事故のケースでしたが、専門家からは、民法の同じ規定を基に判断された認知症の裁判などにも影響を与えるのではないかという声も出ています。

引用元-−-NHK

(読売新聞)小6蹴ったボールよけ死亡、両親の監督責任なし

子供が起こした事故が原因で死亡したお年寄りの遺族が子供の両親に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(山浦善樹裁判長)は9日、「通常は危険がない行為で偶然損害を生じさせた場合、原則として親の監督責任は問われない」との初判断を示した。

 そして1、2審の賠償命令を破棄し、遺族側の請求を棄却する判決を言い渡した。両親側の逆転勝訴が確定した。ほとんどの事故で親の監督責任を認めてきた司法判断の流れが変わることになる。

 裁判官4人全員一致の判断。認知症で徘徊はいかいする高齢者が起こした事故で、介護する家族が監督責任を負う可能性があり、今回の判断は、高齢化社会で介護者の負担を一定程度軽くする影響もありそうだ。

 判決によると、2004年2月、愛媛県今治市の市立小学校の校庭で、放課後に子供たちがサッカーで遊んでいた際、小6男児(当時11歳)がフリーキックの練習で蹴ったボールがゴールと高さ1・3メートルの門扉を越えて道路に転がった。これをよけようとしたオートバイの男性(同85歳)が転倒し、足の骨折などで入院して約1年4か月後に肺炎で死亡した。

 1審・大阪地裁、2審・大阪高裁はともに、男児に過失があったと認める一方、11歳だったことから責任能力はないと判断。上告審ではこれを前提に、親の監督責任の有無が争点となった。

 判決はまず、男児の行為について「開放された校庭で、設置されたゴールに向けてボールを蹴ったのは、校庭の日常的な使用方法だ」と指摘。「門とフェンス、側溝があり、ボールが道路に出るのが常態だったとも言えない」とした。

 そして、親の責任について、「人身に危険が及ばないように注意して行動するよう、子供に日頃から指導監督する義務がある」と言及。ただ、今回の男児の行為について「通常は人身に危険を及ぼす行為ではなかった」とした上で、「両親は日頃から通常のしつけをしており、今回のような事故を具体的に予想できるような特別な事情もなかった」と監督責任を否定した。

 2審判決は、親の監督責任について「校庭ならどう遊んでもいいわけではなく、それを男児に理解させなかった点で両親は義務を尽くしていない」と判断、両親に約1180万円の賠償を命じていた。

 遺族側は、今治市には賠償を請求しておらず、訴訟では学校側の安全管理の当否は争点にならなかった。

 ◆親の監督責任=民法714条は、責任能力のない子供が事故などを起こした場合、「監督義務者」の親が賠償責任を負うと定めている。親がいない場合は、親代わりの親族や未成年後見人、児童福祉施設の施設長が責任を負う。監督義務を怠らなければ責任を免れるが、免責を認めた判決はほとんどなかった。

◆最高裁判決の骨子◆

▽親は、子供が人身に危険が及ばないよう注意して行動するよう、日頃から指導監督する義務がある

▽通常は危険が及ばない行為で、たまたま損害を生じさせた場合は、具体的に予見可能だったなどの特別な事情が認められない限り、監督義務を尽くさなかったとすべきではない

引用元-−-読売新聞

(日本経済新聞)子供の蹴ったボールで事故、親の責任認めず 最高裁

道路に飛び出したサッカーボールを避けて転倒事故が起きた場合、ボールを蹴った子供の親は責任を負うべきか――。こんな問題が争点となった訴訟で、最高裁第1小法廷(山浦善樹裁判長)は9日、「危険でない行為でたまたま人に損害を与えた場合、親に賠償責任はない」との初判断を示した。

 民法は、子供が第三者に損害を与えた場合、親が監督義務を怠っていれば賠償責任を負うと定めている。従来は「監督責任」の範囲が不明確で、同様のケースでは親が賠償責任を負うことがほとんどだった。最高裁が判断を示したことで、子供のほか、認知症高齢者の徘徊(はいかい)を原因とした事故の賠償などにも影響を与えそうだ。

 バイクを運転中に転倒して亡くなった男性の遺族が、ボールを蹴った男児(当時11)の両親を訴えていた。最高裁判決は、監督義務を怠ったとして賠償を命じた一、二審判決を破棄し、請求を棄却した。遺族側の逆転敗訴が確定した。

 判決は4人の裁判官の全員一致。同小法廷は判決理由で、校庭でのサッカー練習など日常的な行為で子が人に損害を与えた場合について「危険を予想できたなどの特別な事情がない限り、親が監督義務を尽くしていなかったとは言えない」と初めて判断。「通常のしつけをしており事故も予想できなかった」と結論付けた。

 判決によると、事故は2004年2月25日夕に愛媛県今治市で起きた。市立小の校庭で男児がゴールに向けフリーキックの練習中、蹴ったボールが門扉を越えて道路へ転がり、バイクで走行中の80代男性が転倒して足を骨折。寝たきりとなり約1年4カ月後、誤嚥(ごえん)性肺炎で死亡した。

 一審・大阪地裁と二審・大阪高裁は両親に1千万円超の賠償を命じていた。

 最高裁が今回適用したのは「監督義務を怠らなかったときは賠償責任はない」とする民法714条の規定。被害者救済の視点から、これまで事実上使われてこなかった。

 監督義務をめぐる訴訟では、列車にはねられて死亡した認知症の男性の遺族にJR東海が運行遅延の賠償を求めた訴訟で名古屋高裁が昨年4月、同居していた妻に「監督義務者としての責任を負う」として約360万円の賠償を命じ、双方が上告中。認知症の高齢者が車を運転して交通事故を起こしたり、線路内に立ち入って列車にはねられたりする事故も近年、全国で多発している。

引用元-−-日本経済新聞

(毎日新聞)最高裁:子供起こした偶然事故、親に責任なし 初判断

子供が起こした事故の責任を親がどこまで負うかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(山浦善樹裁判長)は9日、「通常は危険が及ばないとみられる行為で偶然に事故を起こした場合は、具体的に事故が予見できるなど特段の事情がない限り、責任は負わない」との初判断を示した。その上で親を敗訴とした2審判決を破棄して原告の請求を棄却。親の逆転勝訴が確定した。

 責任能力がない子供や精神障害者らの違法行為を巡る訴訟で、監督者が責任を免れた例は過去にほとんどなく、同種の訴訟に影響を与えそうだ。

 事故は、愛媛県今治市で2004年2月に発生。当時11歳の小学6年男児が放課後の校庭で蹴ったサッカーボールがゴールを外れ、高さ1.3メートルの門扉も越えて道路に転がった。バイクで走行中の80代男性がボールをよけようとして転び、足を骨折。約1年4カ月後に入院先で肺炎で死亡し、遺族が約5000万円の賠償を求めた。

 民法は、責任能力のない児童らが違法行為で他人に損害を与えた場合は親などの監督者が責任を負うが、監督義務を怠らなかった場合は例外と定めている。1、2審は両親の監督責任を認め、2審・大阪高裁は「ボールが道路に飛び出す危険がある場所ではボールを蹴らないよう指導する監督義務があった」と約1100万円の支払いを命じた。

 これに対し小法廷は「男児の行為は校庭の日常的な使用方法として通常」とした上で、門扉はゴールから約10メートル離れ、校庭と道路との間には幅1・8メートルの側溝もあり、「ボールが道路に出ることが常態だったとはみられない」と述べた。

 さらに「親の日ごろの指導はある程度一般的なものとならざるを得ない」と指摘し、「両親は男児に、危険な行為に及ばないよう日ごろから通常のしつけをしていた。両親が事故を具体的に予見できる特別な事情もうかがわれない」と結論づけた。

引用元-−-毎日新聞

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