岐阜・美濃加茂市藤井浩人市長の贈収賄事件の裁判で無罪判決!一方、贈賄側の業者は有罪が確定
2015/06/13
岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長(30)らを巡る贈収賄事件では、事前収賄などに問われた藤井市長に無罪が言い渡された一方で、贈賄側の業者は有罪が確定した。名古屋地裁の判断が分かれたのはなぜなのか。
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(youtube動画)岐阜・美濃加茂市長に無罪判決 「市長として頑張っていく」
http://youtu.be/WHlk80uZ1T8
(youtube動画)浄水装置めぐる贈収賄事件、美濃加茂市長に無罪判決
http://youtu.be/1RUVnt4da1M
(NHK)美濃加茂市長に無罪判決 贈収賄事件で
岐阜県美濃加茂市の市長が、浄水設備の導入を巡り、業者から賄賂を受け取ったとして受託収賄などの罪に問われた裁判で、名古屋地方裁判所は「業者の供述には疑問があり、現金の受け渡しがあったと認めるには合理的な疑いが残る」として、市長に無罪の判決を言い渡しました。
岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長(30)は、市議会議員だったおととし、浄水設備の導入を巡り、便宜を図った見返りなどとして、名古屋市の業者から2度にわたって現金合わせて30万円の賄賂を受け取ったとして、受託収賄などの罪に問われました。
市長が無罪を主張したのに対して、検察は懲役1年6か月を求刑しました。
5日の判決で、名古屋地方裁判所の鵜飼祐充裁判長は藤井市長に無罪を言い渡しました。
判決の理由の中で、裁判長は、市長に賄賂を渡したとする業者の供述について、「現金を渡したとする回数や同席した人物がいたかどうかが変遷したり、渡すときの会話が2度とも同じだったり、臨場感に欠けて疑問がある」と指摘しました。
そのうえで、「業者は別の詐欺事件で捜査を受けていて、さらに罪に問われるのを避けようと捜査機関の関心を市長に向けさせるため虚偽の供述をすることは十分ありうる。供述以外の証拠を考慮しても現金の受け渡しがあったと認めるには合理的な疑いが残る」と述べました。
裁判長は最後に、「きょうでひと区切りが着いたと思うので、市政に尽力されることを期待します。頑張ってください」と話しかけ、藤井市長は証言台で深く一礼しました。
賄賂を贈った罪などに問われた名古屋市の業者は、みずからの裁判で起訴された内容を認めたため、賄賂を渡したかどうかは争われず、別の裁判長が言い渡した有罪の判決が確定していますが、5日の判決は、賄賂の受け渡し自体があったとは認められないと判断しました。藤井市長「ほっとしている」
無罪の判決のあと、藤井市長と弁護団が名古屋市内で記者会見しました。
藤井市長は「判決を聞いてほっとしている。市民や多くの方々に支えられ、一貫して主張してきたことが認められてうれしく思う。結果的に、知り合いだった業者が別の犯罪を犯していたことを見抜けなかったのは私の落ち度であり、今後は、しっかりとした目を持ち、市長として頑張っていきたい」と話しました。
弁護団の郷原信郎弁護士は「極めて当然の判決だ。市長に現金を渡したという業者の供述が不合理で疑わしいということを、裁判所が認めてくれて満足している」と話しました。検察「適切に対応」
無罪の判決について、名古屋地方検察庁の大図明次席検事は「判決の内容をよく検討し、上級庁とも協議のうえ、適切に対応したい」とコメントしています。
判決のポイントは
裁判では市長に現金を渡したとする業者の供述が信用できるかどうかが最大の争点となりました。
5日の判決は、業者の供述について「全体としては具体的かつ詳細であり、一定の裏付けもある」とする一方、「現金を渡すという核心的な場面については、具体的で臨場感がある供述をしているとはいえない」と指摘しました。
特に当初は現金を1度渡したことしか覚えていないと供述していたことについては「賄賂だという認識を持って現金を渡す行為は、非日常的で強い印象に残るはずだ。記憶があいまいだというのは不自然と言わざるをえない」という判断を示しました。
さらに、現金を渡したという場にいたのは市長と業者の2人だけだったという供述から、知人も同席していたと変わったことについても「供述が変遷し、信用性に大きな疑問があると言わざるをえない」としました。
そのうえで、「業者が別の詐欺事件の捜査を受けるなかで、捜査機関の関心をほかの事件に向けさせようと考えた疑いがある」として、業者には、うその供述を行う動機や事情が存在していると指摘し、無罪の判決を言い渡しました。引用元-−-NHK
(朝日新聞)業者は有罪、市長は無罪なぜ? 美濃加茂市の贈収賄事件
岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長(30)らを巡る贈収賄事件では、事前収賄などに問われた藤井市長に無罪が言い渡された一方で、贈賄側の業者は有罪が確定した。名古屋地裁の判断が分かれたのは、なぜなのか。
贈賄と収賄は「必要的共犯」の関係とされ、本来は両方が有罪でないと犯罪が成立しない。業者は自身の公判では当初から罪を認めていた。だが、贈賄側と収賄側で採用された証拠が異なれば、それぞれに違う判決が出るケースが過去にもある。
滋賀県立スポーツ会館の新築工事を巡る汚職事件では1989年11月、大津地裁は収賄罪に問われた元滋賀県幹部に無罪を言い渡した。92年1月には熊本県菊池市の幹部選任を巡り、収賄罪に問われた市議長経験者に無罪判決が出た。いずれも贈賄側は有罪だった。
引用元-−-朝日新聞
(ウォール・ストリート・ジャーナル)「信じていた」市幹部ら拍手=美濃加茂市長の無罪判決で
岐阜県美濃加茂市役所では5日午後、副市長や部長ら約10人が集まっていた会議に、藤井浩人市長(30)の無罪判決が電話で伝えられた。海老和允副市長(67)は「皆が手をたたいて喜んだ。市長を信じてきたが、『起訴されれば99%有罪』と聞いていたので精神的につらかった」とほっとした表情を見せた。
藤井市長が逮捕され、2カ月勾留された間、海老副市長が職務代理を務め、市議7人から提出された市長問責決議が可決された。提出者だった片桐美良議長(63)は判決後、「市政が早く正常になるよう一緒に取り組みたい」と淡々と語った。
引用元-−-ウォール・ストリート・ジャーナル
(毎日新聞)浄水設備汚職:美濃加茂市長、無罪 名古屋地裁判決
贈賄側有罪とズレ
岐阜県美濃加茂市の浄水プラント導入を巡り、現金30万円を受け取ったとして、受託収賄などの罪に問われた市長、藤井浩人被告(30)に対し、名古屋地裁は5日、無罪(求刑・懲役1年6月、追徴金30万円)を言い渡した。鵜飼祐充裁判長は「贈賄側の供述には信用性に疑問があり、現金授受を認めるには合理的な疑いがある」と述べた。
藤井被告に「現金を渡した」とする贈賄側の経営コンサルタント会社「水源」社長、中林正善受刑者(44)には懲役4年の実刑が確定しており、贈賄側と収賄側で判決が分かれることになった。検察側は控訴するとみられる。
公判は現金授受の有無が最大の争点となり、中林受刑者の供述の信用性が争われた。
判決によると、中林受刑者は当初、藤井被告と2人だけの会食で現金を渡したと供述。しかしその後、同席者も含む3人だったと変更した。検察側は「記憶が後に明確になった結果」と主張していたが、判決は「賄賂と認識して現金を渡す行為は非日常的で強く印象に残るはずなのに、曖昧だったのは不自然」と指摘。「供述は変遷していると言わざるをえない」と判断した。
さらに検察側が、銀行口座の出入金記録やメールのやり取りなどが「供述と符合する客観的証拠だ」と主張したことについて、判決は「現金授受の存在を直ちに裏付けられない」と否定した。
中林受刑者は贈賄の供述を始めた昨年3月、1000万円の融資詐欺事件で起訴され、余罪についても追及されていた。判決は、この事件での余罪の立件を免れるため、中林受刑者が虚偽の供述をした可能性も指摘。「捜査機関の関心を他の重大な事件に向けようとして、虚偽供述した可能性は十分考えられる」と結論付けた。
検察側は、当時市議だった藤井被告が中林受刑者から浄水プラントの設置の依頼を受け、2013年4月2日に現金10万円を、同25日に20万円を受け取ったと主張していた。
藤井被告は2010年の市議選でトップ当選し、13年に全国最年少で市長に初当選した。
引用元-−-毎日新聞
(日本経済新聞)美濃加茂市長「市政にまい進したい」 無罪判決に安堵
「主張してきたことが認められた」「今後も市政にまい進したい」。岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長は5日午後、名古屋市内で記者会見した。無罪判決に安堵の表情を浮かべながら、今後の市政運営に意欲を示した。
藤井市長は会見で、無罪を言い渡された際の心境を「自分の中では(無罪との)自信があったが、やはりほっとした」と振り返った。
逮捕後、市長の職務を続けながら無実を訴えてきた。「市職員に支えてもらい、市民にも『市長は信用できる』と応援してもらった。市政に影響はなかった」と話した。
会見に同席した主任弁護人の郷原信郎弁護士は「贈賄側に虚偽供述の動機があったことを立証することがきわめて重要だった」と説明。無罪判決について「弁護団の主張がほとんど認められた。検察は無意味な控訴はしないでほしい」と訴えた。
引用元-−-日本経済新聞
twitterの反応
美濃加茂市長無罪判決/贈賄罪に問われ有罪になった中林受刑者が虚偽の供述をした疑いがあると判断/報ステ pic.twitter.com/ECJ2KnRunf
— きむらゆい (@yuiyuiyui11) March 5, 2015
悪徳業者が、保身のためにでまかせを供述したということですか? #nhk24 RT @nhk_NEWSWEB: 岐阜県美濃加茂市長が浄水設備導入巡り業者から賄賂受け取ったとして受託収賄などの罪に問われた裁判で、名古屋地裁は「業者の供述には疑問があり現金受け渡しあったと認めるに
— 光架橋 (@hikarikakehashi) March 5, 2015
美濃加茂市長無罪。またまた(またまた)(またまた)検察による冤罪でしょうか。意図的にやっているなら(としたらですが)反省などしないでしょうね。贈収賄は憎むべきだが、本当に怖いのは冤罪。国民の味方のはずの組織が敵になるのだから。
— 村沢義久 (@murasawa) March 5, 2015
美濃加茂市長の収賄裁判については @H_Nobunagaが書いた「古い利権を解体しようとすれば、敵は30歳の若者には想像できないような政治的なトラップを仕掛けてくる」がズシンと重く感じる。
— Masaharu Saito (@Done3_seagreen) March 5, 2015
今日の美濃加茂市長への判決で、鵜飼裁判長は、論点や判決の詳細な目次をスクリーンに映しながら読み上げを行った。分量が多く、かなり早口での読み上げになったが、今読まれているのは、どういう位置付けの部分か、というのがよく分かって、とてもよかった。各地の裁判所で真似して欲しい。
— Shoko Egawa (@amneris84) March 5, 2015
美濃加茂市長事件の場合、誰か責任を取らないとまずい気もしますね。
— 小倉秀夫 (@Hideo_Ogura) March 5, 2015